技術の蓄積

 ここまで、株式会社ダイニチは、技術の蓄積を重ねてきました。しかし、そこには常に下村社長の逆転の発想があったのです。

 さらに、仕事を小物に絞っていくことで材料費があまりかからないため、受注量が少なくても多めに製造しておき、顧客の急な需要にも応じられるようになりました。

 これは、『仕事は、多いほど良い』と言う常識から『少ないから良い』という逆転の発想があったからです。

逆転の発想

 こうしてニッチな受注を獲得する中で、価格競争とは無縁に顧客を確保し続けることが出来るのです。

 ただし、小物、少量と言うことは、決して軽微なことを意味しません。現実にマッチ箱にも満たない小さな部品が故障したために、生産ラインがストップしてしまい、株式会社ダイニチに駆け込んできた大工場もありました。
逆転の発想が生み出す工場内部と加工製品